バルセロナから電車で2時間ほどのところに、フィゲラスという町がある。古い街並みを10分ほど歩くと、奇妙な建物に辿り着く。大きな卵が沢山屋根に載せてあるダリ美術館である。
ダリの幻想的な絵を期待して入ると完全に裏切られる。美術館全体が作品であり、洗練されたパロディとエロスとグロテスクの世界が展開されている。
マドリードのプラド美術館が正統派の極地とすれば、ダリ美術館はシュールな芸術の極致かもしれない。どちらも、見る者の心を奪うだけの魅力に満ち 溢れている。人は何故、美しい芸術だけにでなく、シュールな芸術にも惹かれるのか。ダリは心の闇をえぐりだす才能を持っていたのだろう。